こんにちは〜!
暑い。本当に暑い。
出社するだけで汗が止まらなくて毎朝「汗 止める方法」のキーワードでググってる23歳/女です。
さて、今回は朝井リョウさんの『何者』を読んだので感想を書こうかと思います。
あらすじ
直木賞受賞の『何者』では、大学生が就職活動を通して感じる葛藤や複雑な感情をリアルに書かれています。
2016年には佐藤健主演で映画化もされてるので、ご存知の方も多いかも?
主な登場人物は5人の大学生。
映画化を記念して作られた文庫のカバーには
それぞれこのように紹介されています。
拓人@冷静分析系男子
瑞月@地道素直系女子
里香@意識高い系女子
光太郎@天真爛漫系男子
隆良@空想クリエイター系男子
この5人に加えて、後輩を見守る先輩。
サワ先輩@達観先輩系男子
うわ〜〜、こんな短い紹介文で大体どんな登場人物か想像できる。
いるいる、こんな大学生。←
就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたから――。
瑞月の留学仲間・理香が拓人たちと同じアパートに住んでいるとわかり、理香と同棲中の隆良を交えた5人は就活対策として集まるようになる。
だが、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする、本音や自意識が、彼らの関係を次第に変えて……。直木賞受賞作。
感想「SNSがいたるところで使われてる今、そこに映る私は何者なんだろう」
この物語では就活を通して「自分は何者なんだろう」と大学生の姿が描かれています。
率直な感想は「就活前に読まなくてよかった〜〜!」
いやいや、朝井さんの書く就活してる大学生がリアルすぎるでしょ。就活中に読んでたら、「周りの皆こんな感じなの!?」って焦ってたかもしれない。
あともう一つ特徴的なのが、登場人物達は皆Twitterを使用していること。お互いフォローしている登場人物達。そこに書かれているお互いのツイートを読んでは、焦ったりバカにしたり、素直に感心したり。
これもわかる。
就活中、周りの人のツイート見ては「もう就活終わったんや、、、」って焦ったり、「ええ、最終面接まで進んでんの!?」って焦ったり、基本焦ったり焦ったり焦ったりしてました(笑)
便利な世の中になって、SNSのおかげで以前よりは簡単に友達と繋がることができるようになったけど、そのせいで知りたくなかったこと、知らなくてよかったことも意図せず情報が入って来てしまって、たまに息苦しくなることあるよなあ。
就活中なんて特にセンシティブに(私は)なってたから、他人の進捗とか気にせず自分に向き合ってればいいのに、SNSで周りの人の様子を伺っては必要以上に焦ったり凹んだりしてた気がする。
そんなSNS、Twitterについて書かれた心に残った文章がありました。「短い言葉で自分を表現しなければいけない世の中だからこそ、どんな言葉が選ばれるかが大事」だという主人公に対しての先輩の言葉です。
ツイッターやフェイスブックが流行って、みんな、短い言葉で自己紹介をしたり、人と会話するようになったって。だからこそ、その中でどんな言葉が選ばれてるかが大事な気がするって
俺、それは違うと思うんだ
だって、短く簡潔に自分を表現しなくちゃいけなくなったんだったら、そこに選ばれなかった言葉のほうが、圧倒的に多いわけだろ
だから、選ばれなかった言葉のほうがきっと、よっぽどその人のことを表してるんだと思う
選ばれなかった言葉のほうが、その人のことを表している
この本を読む前は、私も主人公寄りの考えで「どんな言葉を選ぶかが大事」だと思ってました。読んでる側はその短い言葉で表現されたものをもって、書き手がどんな人であるか想像すると思うし。
でもたしかに、選ばれなかった言葉の方がその人のことを表しているかもしれない、一理あると思いました。
短い表現、選んだ言葉の裏側には、そこで表現しきれなかった意図や想いがふんだんに含まれてると思います。
例えば私が『何様』を読んで感想を書いたツイートはめちゃくちゃ短いです。
けれど、実際はこのブログで書いた感想のようにいろいろ思ってるわけで。(この時点で1800字越え)
この1,800字ですら書ききれなかった意図や想いがあるわけで。
SNSに言葉を乗せて発信する時は、
読まれているということを意識します。
だから全部が全部本当のこと書いてるわけではないかも。自分の見られたくないところは削って、選んで、発信してるかも。そう考えると、選ばれなかった言葉達の方がその人のことを表しているかもしれないと思いました。
さて、SNS上では私は何者なんだろう。
実際、私のSNSを読んだ人たちからは「仕事が充実してそう」とか「人生楽しそう」って言われることが多いけど、そう見えるような言葉を選んでるだけで、そればっかりではないです。笑
朝井リョウの『何者』、自分の就活してた頃とか自分のSNSの使い方について色々考えさせられました。結構痛いところ突かれてたりする。
『何者』のアナザーストーリー短編集の『何様』も読んでみたいな。